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初めてパールに『射精』をさせてもらってから、リオは家でいやらしいことを考えて陰茎をいじっていると、今までは体がビクッとなって勃起がおさまっていたタイミングで、決まって『射精』をするようになった。
初めこそ床に散った白っぽい精液をまじまじと眺めたものだが、二度目以降は煩わしくなった。精液の処理が面倒なのだ。
そう考えたところで、いらないと思えば出なくなるものでもないらしく、どうしたってその液体は排出された。
大人になった証拠だ、とパールは言っていた。
大人って、面倒なものなのだな。
リオは机に伏してため息をつく。
勃起は、放っておけばそのうちおさまる。その方法を取れば無論射精もしない。
しかし、パールとの経験があまりに刺激的すぎたのだろう。リオは、あの一夜を迎える前とは比べ物にならないほどの頻度で勃起をするようになっていた。その上、放っておこうにもあの夜の経験をもとにどんどん想像が膨らんでいってしまって、一向に勃起がおさまらないのだ。
陰茎を刺激して射精すれば、すぐにおさまるのに。
結局、リオはトイレで陰茎を刺激することにした。トイレならば精液の処理も簡単だ。
精液は、なんだか生臭いようなにおいがする。
射精をしてトイレを出たところで、両親や、掃除のメイドに鉢合わせるとどきりとした。
すぐにトイレに入られると、においを感付かれやしないか。
父は気にする素振りもなかった。母やメイドは、ときにはむっと眉間に皺を寄せることもあった。だが、「トイレで射精したでしょう」などとリオを叱ることはなかった。
精液は、大人になると出るものだという。もちろん大人の射精をじかに見たことはないため、公にするべきことではないのは分かる。だが、隠れてする分には別段叱られるような事柄ではないのかもしれない。
パールに導かれた初めての射精は、腰が砕けてしまいそうなほどに気持ちがよかった。
二度目以降はそうでもない。
もちろん気持ちがいいし、射精の直前はそれなりに夢中になるのだが、快感の度合いでいえばあの日の十分の一以下だ。
一人でしているせいだろうか。
リオは指折り数える。Den of FREAKSでの出番は、あと五回。パールと触れ合う日と、パールとしゃべる日は交互にすると自分が決めた。次はしゃべる日だ。パールと触れ合えるのは、あとたったの二回だけ。
悶々と、また勃起する。そっと廊下をうかがい、人気がないのを確認するとトイレへ急ぐ。
パールの希望は触れ合うことだ。やっぱり毎回触れ合いたい、とリオが言えばきっと快諾してくれる。
だけど、しゃべって彼のことも知りたいし……。
便座に座ったリオは、左手で陰茎の先にトイレットペーパーをあてがうと、右手で全体を刺激し始める。ほどなく射精した。
トイレットペーパーを便器に流す。
しゃべる日、触る日、しゃべる日、触る日、そして、最後は触る日にしたらどうだろう。
マイクは、ゲストであれば無料でパールに会えると言っていた。通常は代金を頂戴するのだと。つまり、ゲストでなくなったあとも、金さえ払えばいつまでもパールに会えるということだ。
いくら払えば会えるのだろう。今度マイクに聞いてみようか。リオには稼いだ金がある。もう仕事のない見世物小屋へ赴くことを、両親やイーサンは許してくれるだろうか。
別に、許してくれなくたっていいじゃないか。リオは一人で馬車に乗ったことはないけれど、要は金を払って行き先を告げればいいはずだ。両親やイーサンに黙って、こっそり行ってしまえばいい。
金はある。これからももっと仕事を頑張って、稼いで、パールに会いに行こう。
ああ、それなら予定通り、しゃべる日、触る日、しゃべる日、触る日、しゃべる日にしても構わないな。だってそのあとも、何度だってパールと触れ合う日は設けられる。
やんわりと、再びリオは勃起する。
一度ズボンを上げる。トイレの扉を開け、廊下を見回す。誰もいないことを確認し、ぱたん、と扉を閉め直した。